必見!食材のスカウトがそっと教える

食べる魅力。食を楽しむ方法 Topic.2

食材を学ぶ楽しさ。季節を楽しみ、文化を楽しむ

あなたは食べることが好きですか。楽しんでますか

美味しいものを食べる、食べられるって素晴らしいことですよね。


食に関する知識を深め、食材を学ぶことを楽しめるようになるとさらに食が楽しむことができます。ちょっとした知識を持ってくると食の楽しみ方が立体的になってきます。 

あなたは食の中に大自然を感じてますか

例えばお店の献立やお品書きなどでもみかける「旬」。「旬」は季節感を大事にする食のキーワードですが、海外のフランスでは、春はシェーヴルチーズにアスパラガス、冬はジビエや牡蠣などが季節を感じる食材として頻繁に用いられます。


旬という言葉でパっと頭に浮かぶのが、最も味のよい出盛りの時期のこと。日本では旬が来て、旬が終わると実は旬を時系列にしてみると面白いことに気づきます。季節を愛する日本人の旬の楽しみ方には「はしり」「盛り(旬)」「名残り」の3つがあります


「はしり」は出始めの食材や初物を食べること。食材が中々手に入らない時期で価格は比較的高いですが、験(げん)を担ぎ、生気がみなぎる初物を食べることで新しい生命力が得られると考え、寿命が延びると言われます。


「盛り(旬)」は最も味のよい出盛りの時期のものを楽しむこと。最も栄養価が高く味が深くなる時期です。


「名残り」はもう時期が終わる頃に去り行く季節を惜しみつつ、来年の出会いをを心待ちにして最後にもう一度楽しむこと。去り行く季節をいとおしむように味わうのは格別の趣があります。


一般的に魚は繁殖期が近づくにつれて成長して徐々に脂が乗ってくるため、「盛り(旬)」のこってりした味わいを楽しみ、その前の「はしり」でさっぱりとした若いものを楽しみます。また、野菜の場合、「はしり」は細胞分裂が盛んで若くて柔らかい時期。「はしり」の野菜は成長の途中なのでアクが強いが柔らかくてみずみずしいのが特徴。味がピークに達する「盛り(旬)」を過ぎ、「名残」に移っていくにつれて、水分は減ってひとつひとつの細胞が成熟して繊維がしっかりとしてきます。「はしり」では生でも美味しくいただいたり、「名残」では個性が際立ちよく熟れて濃いうま味や甘味をいただいたりとそのときどきの味わいを楽しむことが出来ます。 

食の季節や時間、場所を遊び心をもって楽しんでいますか

日本人は繊細な食文化とともに季節を楽しんできました。「はしり」の食材で季節を先取りし、「名残」の食材で過ぎ去る季節を惜しみます。「出会いもの」とは、同じ季節に出回る旬の食材の中で海の幸・山の幸・里の幸の中から隣接する微妙な季節の違いや食材の相性が良い組み合わせを考え、それぞれの美味しさを引き出し料理したものをいいます。


「冬の出会いもの」ブリ大根。脂がのっておいしくなった寒ブリに、同時期の甘味が濃い冬大根を組み合わせたもの。「春の出会いもの」若竹煮。旬の竹の子と新わかめを炊きあわせて、出てきたばかりの山椒の若芽を添えたもの。走り・旬・名残を組み合わせるとさらに面白いの鱧。「夏の出会いもの」では、細かく骨切りされた「はしり」の鱧を湯引きにして、叩いた梅干しと合わせ、「秋の出会いもの」では、「名残」の鱧を「はしり」の松茸と組み合わせて「土瓶蒸し」になります。


季節感は食材だけではありません。デコレーションも重要な要素。器に盛る食べ物の下に敷く木の葉など掻敷(かいしき)は食器のなかった頃に木の葉に盛ったことにはじまったと言われますが、日本料理では花や枝葉、実などを使いの季節感や趣きを添え、器とともに季節や文化も一緒に味わうことが出来ます 

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