雄牛と比較し

美味しいと評価される

和牛の評価は、肉の柔らかさ、脂の味、見た目の美しさです。これらを追求していくと行き着く最高点が「雌牛」です。

人間でも女性は男性に比べて皮下脂肪が多く丸みを帯びています。男性と女性の体形を比べてみた時に、男性の場合は比較的筋肉質であるのに対して、女性の場合には皮下脂肪がいかにもありそうな丸みを帯びた体形になっています。そうした人間の男性と女性の体形の違いと同様に、牛の場合にも同じようなことが言えるようです。牛においても雌牛の方が皮下脂が多く重量も若干小ぶりです。肉質もキメが細かく柔らかく味が良いと一部では言われているようです。

雌牛とは未経産牛、つまり出産をしていないヴァージン牛のことです。反対の雄牛というのは去勢牛のことで、肉質向上のために生後まもなく去勢され、皮下脂肪も多くなりサシ(脂)が入りやすくなりなります。

しかしやはり雄牛は雌と比較すると筋肉質な上、雌牛の方には不飽和脂肪酸が多く含まれており、融点が低いために口の中でとろけるような味わいとなります。不飽和脂肪酸は体内で合成できず、健康に必須な栄養素つまり体に良い脂肪です。また雌牛は肉質自体がきめ細かく、舌触りも「絹のようだ」と比喩されることさえあります。

このような理由から、有名なブランド牛の定義の中には、雌牛のみを規定している場合もあります。雌牛は去勢牛と比べて太らせにくく、飼育も難しいため流通は圧倒的に雄牛が多く雌牛は希少価値の高い肉と言えます。